カテゴリ: ITパスポート 更新日: 2026/01/05

ITパスポート対策!マーケティングと販売の違いとは?初心者にわかりやすく解説

マーケティングと販売の違いを初心者向けに整理
マーケティングと販売の違いを初心者向けに整理

ITパスポート試験の「ストラテジ系」で頻出のマーケティング。実は「販売(セールス)」とは正反対の考え方であることをご存知でしょうか?

この記事でわかること
ITパスポート試験合格に欠かせない、マーケティングと販売の決定的な違い、試験での重要性、そして「売れる仕組み」の基本概念をゼロから学べます。
先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「マーケティングと販売って、結局はどちらも『物を売ること』ですよね?何が違うんですか?」

先生

「実は、その2つは『視点』が真逆なんです。販売は『作ったものをどう売るか』ですが、マーケティングは『何を作れば勝手に売れるか』を考えることなんですよ。」

生徒

「えっ、勝手に売れる……?そんな魔法みたいなことがITパスポートの試験に出るんですか?」

先生

「魔法ではなく、論理的な戦略です。試験では『顧客の視点に立っているか』が問われます。身近な例で一緒に整理していきましょう。」

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1. マーケティングと販売(セールス)の根本的な違い

1. マーケティングと販売(セールス)の根本的な違い
1. マーケティングと販売(セールス)の根本的な違い

まずは、マーケティングと販売の決定的な違いを整理しましょう。一言で言うと、「誰の都合で動いているか」が異なります。

販売(セールス)は「売り手」の視点

販売(セールス)は、すでに手元にある商品やサービスを、いかにして顧客に買ってもらうかという活動です。「売り手」が主役であり、ゴールは「在庫をなくすこと」や「今月の売上目標を達成すること」に置かれます。極端に言えば、相手が本当に欲しがっていなくても、言葉巧みに説得して買ってもらう技術も含まれます。

マーケティングは「買い手」の視点

一方、マーケティングは「買い手(顧客)」が主役です。顧客がどんな悩みを抱え、何を欲しがっているかを調査し、そのニーズを満たす製品を作り、適切な価格で、適切な場所で提供する。その結果、「無理に売り込まなくても、自然に売れる状態」を作ることがゴールです。

図解で理解する「視点の流れ」

両者のアプローチの違いを、情報の出発点から整理してみましょう。


【販売(セールス)の流れ:プロダクトアウト】
会社 ──(商品を作る)──> 顧客 ──(説得して売る)──> 利益

【マーケティングの流れ:マーケットイン】
顧客 ──(ニーズを調査)──> 会社 ──(商品を作る)──> 自然に売れる ──> 利益
  • 販売:商品の出発点は「会社」。ターゲットは「不特定多数」。
  • マーケティング:商品の出発点は「顧客」。ターゲットは「特定のニーズを持つ人」。

2. なぜITパスポート試験でマーケティングが重要視されるのか

2. なぜITパスポート試験でマーケティングが重要視されるのか
2. なぜITパスポート試験でマーケティングが重要視されるのか

ITパスポートは「IT」の試験なのに、なぜ経営知識であるマーケティングがこれほど重要視されるのでしょうか。その理由は、現代のビジネスにおいて「ITはマーケティングを実現するための道具」だからです。

ポイント:ITを導入する目的は「顧客のニーズを正確に掴み、効率よく価値を届けるため」である。

試験での出題意図

ITパスポート試験の「ストラテジ系(経営全般)」では、IT技術そのものよりも「そのITを使ってどうビジネスを成功させるか」という視点が問われます。例えば、顧客データを分析して次に売れる商品を予測するシステム(CRMなど)を導入する際、マーケティングの本質を理解していないと、せっかくのシステムも宝の持ち腐れになってしまいます。

IT技術との具体的な関わり

具体的にマーケティングとITがどう結びつくのか、例を挙げてみましょう。

  • SNSの活用:顧客が今何を求めているか、リアルタイムで声を拾う(市場調査)。
  • ECサイト(ネットショップ):店舗に行けない顧客でも、いつでも買える仕組みを作る(流通)。
  • ビッグデータ分析:過去の購入履歴から、その人にぴったりの商品をおすすめする(広告・宣伝)。

このように、ITパスポート試験では「マーケティングの目的を達成するために、どのIT技術を使うのが適切か?」という出題パターンが多く見られます。

3. 顧客ニーズから始まるマーケティングの基本概念

3. 顧客ニーズから始まるマーケティングの基本概念
3. 顧客ニーズから始まるマーケティングの基本概念

マーケティングを理解する上で最も重要なキーワードは「顧客ニーズ」です。ニーズとは「理想の状態と現実のギャップ」を埋めたいという欲求のことです。

ドリルを買う人が欲しいのは「穴」である

マーケティングの世界で非常に有名な格言に「ドリルを買いに来た人が欲しいのは、ドリルではなく『穴』である」というものがあります。

  • 販売の視点:最新の機能がついた、壊れにくいドリルを売り込む。
  • マーケティングの視点:顧客は「壁に棚をつけたい(から穴が必要)」のだと考え、最も簡単に穴が開く方法を提案する。

もし顧客の目的が「穴を開けること」なら、ドリルを売る以外にも「ドリルのレンタルサービス」や「穴あけ代行サービス」という解決策(商品)が生まれるかもしれません。これが、顧客ニーズから始まるマーケティングの面白さです。

試験に出る「ニーズ」と「ウォンツ」の違い

ITパスポート試験では、これらを区別して考えることも重要です。


【ニーズ(必要性)】
「お腹が空いたので何か食べたい」という欠乏状態。

【ウォンツ(欲求)】
「お腹が空いたから、牛丼が食べたい」という具体的な手段。

マーケティングの第一歩は、顧客の表面的な「ウォンツ」だけでなく、その裏側にある本質的な「ニーズ」を読み取ることです。試験問題でも「顧客の潜在的なニーズを引き出すための手法はどれか?」といった形で、戦略的な考え方が問われます。

次章では、このマーケティングをより具体的に実践するためのフレームワークや、販売活動との具体的な役割分担について深掘りしていきます。

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4. 販売(セールス)が「売り込むこと」に特化する理由

4. 販売(セールス)が「売り込むこと」に特化する理由
4. 販売(セールス)が「売り込むこと」に特化する理由

前章では、マーケティングが「売れる仕組み作り」であることを解説しました。では、なぜ「販売(セールス)」という活動がビジネスには存在するのでしょうか。それは、どれだけ優れた仕組みを作っても、最終的に顧客の背中を押し、契約を完了させる「最後の一歩」が必要だからです。

販売の役割:接点での最適化

販売(セールス)が特化しているのは、顧客との直接的なやり取りです。マーケティングが「広い範囲(市場)」を対象にするのに対し、販売は「目の前の個人」を対象にします。

  • 在庫の現金化:企業が作った製品を、確実に利益に変える。
  • 個別課題の解決:画一的な商品であっても、顧客一人ひとりの事情に合わせて活用方法を提案する。
  • 信頼関係の構築:IT化が進んだ現代でも、「この人から買いたい」という人間関係がビジネスの決め手になる。

プロダクトアウトという考え方

ITパスポート試験でよく出る用語に「プロダクトアウト」があります。これは「良いものを作れば売れる」という考え方で、技術力を重視するメーカーなどに多い傾向です。販売(セールス)はこのプロダクトアウトの考え方と相性が良く、開発された製品の魅力を熱心に伝えることで市場を開拓していきます。

ポイント:マーケティングが「川上(企画)」なら、販売は「川下(現場)」であり、両者が連携することでビジネスは成立する。

5. マーケティングの全体像と「売れる仕組み」の作り方

5. マーケティングの全体像と「売れる仕組み」の作り方
5. マーケティングの全体像と「売れる仕組み」の作り方

マーケティングを成功させるためには、思いつきで動くのではなく、論理的なステップを踏む必要があります。ITパスポート試験の「ストラテジ系」では、このプロセスを体系的に理解しているかが問われます。

売れる仕組みを作る3つのステップ(STP)

「誰に」「どんな価値を」届けるかを決めるための代表的な手法がSTP分析(エスティーピーぶんせき)です。


【STP分析の流れ】
1. セグメンテーション(S):市場を共通のニーズで細かく分ける
2. ターゲティング(T):分けたグループの中から、狙うべき相手を絞る
3. ポジショニング(P):競合他社と比べて「自社の立ち位置」を明確にする

なぜ「絞ること」が重要なのか?

「誰でもいいから買ってほしい」という戦略は、結局誰の心にも刺さりません。例えば、「誰でも使えるITツール」よりも「プログラミング未経験の事務職でも5分で使える自動化ツール」としたほうが、ターゲットにとっての価値が明確になり、自然に売れる確率が高まります。

IT活用による「仕組み」の高度化

現代のマーケティングでは、このSTP分析をIT技術が支えています。

  • データマイニング:大量の販売データから、自分たちでも気づかなかった「売れる法則」を見つけ出す。
  • MA(マーケティングオートメーション):顧客の興味に合わせて、最適なタイミングでメールを自動送信する。

このように「仕組み」の中にITを組み込むことで、人間が24時間売り込みをしなくても、システムが自動的に顧客を導いてくれるようになります。これがマーケティングの理想形です。

6. ITパスポート試験に出る「4P・4C分析」と販売戦略の関わり

6. ITパスポート試験に出る「4P・4C分析」と販売戦略の関わり
6. ITパスポート試験に出る「4P・4C分析」と販売戦略の関わり

マーケティングの具体的な実行計画を立てる際、最も有名なフレームワークが「4P(フォーピー)」です。さらに、それを顧客視点で捉え直した「4C(フォーシー)」との対応関係が試験の頻出ポイントです。

4P分析:売り手側の視点

企業がコントロールできる4つの要素を組み合わせて戦略を立てます(マーケティング・ミックス)。

  • Product(製品):何を売るか?(機能、デザイン、保証)
  • Price(価格):いくらで売るか?(定価、割引、支払い方法)
  • Place(流通):どこで売るか?(店舗、ネット通販、代理店)
  • Promotion(販売促進):どう知らせるか?(広告、SNS、イベント)

4Pと4Cの対応関係(試験対策)

試験では、売り手側の「4P」が、買い手側の「4C」のどれに対応するかを問う問題がよく出ます。この関係性を理解しておくと、販売戦略がぐっと身近になります。

ポイント:4Pは企業の施策、4Cは顧客が感じる価値。両者を一致させることが「売れる仕組み」の鍵。

【4Pと4Cの対応表】
売り手視点 (4P)  |  買い手視点 (4C)
----------------+--------------------------
Product (製品)   |  Customer Value (顧客価値)
Price (価格)     |  Cost (顧客の負担・コスト)
Place (流通)     |  Convenience (利便性)
Promotion (促進) |  Communication (対話)

販売戦略への応用例

例えば、あるITソフトを販売する場合、ただ「1万円です(Price)」と伝えるのではなく、「これを使うと作業時間が半分になり、月5万円分の人件費が浮きます(Cost / 顧客の負担軽減)」と伝えるのが、マーケティング視点を取り入れた販売戦略です。

ITパスポート試験では、「Webサイトで無料お試し版を提供するのは、4Pのどれに該当するか?」といった具体的なケーススタディが出題されます。常に「これは売るための道具(Promotion)なのか、試してもらう場所(Place)なのか」を意識することが得点アップの近道です。

ここまでは「売れる仕組み」の基礎を学びました。後半では、これらの活動が実際にもたらすメリットや、IT社会ならではの注意点について詳しく見ていきましょう。

7. 現代ビジネスにおける「デジタルマーケティング」の役割

7. 現代ビジネスにおける「デジタルマーケティング」の役割
7. 現代ビジネスにおける「デジタルマーケティング」の役割

これまでのマーケティングは、テレビCMや新聞広告など、一方的に情報を流す形が主流でした。しかし現代では、IT技術を駆使した「デジタルマーケティング」が主流となっています。ITパスポート試験でも、このデジタルマーケティングに関する用語が非常に多く出題されます。

インターネットが変えた「売り方」と「買い方」

デジタルマーケティングの最大の特徴は、顧客の行動を「数値」で把握できることです。例えば、販売活動において「誰が、いつ、どのWebページを見て、どのボタンをクリックして購入したか」をすべてデータとして蓄積できます。

ポイント:デジタルマーケティングは、IT技術を用いて顧客一人ひとりに最適な情報を届ける仕組みである。

試験に直結!デジタルマーケティングの主要キーワード

ITパスポート試験で特に出やすい「ITを活用したマーケティング手法」を整理しましょう。

  • オムニチャネル:実店舗、ネット通販、SNSなど、あらゆる販売経路を連携させ、どこでも同じ体験を顧客に提供する戦略。
  • O2O(Online to Offline):ネット上のクーポンや広告で、顧客をリアルの実店舗へ誘導する仕組み。
  • CRM(顧客関係管理):顧客の購入履歴や属性をデータベース化し、個別に最適なサポートを提供してファンを増やす手法。
  • SFA(営業支援システム):販売(セールス)の進捗状況を共有し、効率的に売り込むためのITツール。

ITパスポートでの出題イメージ

「実店舗とネットショップのポイントを共通化し、顧客の利便性を高める戦略を何と呼ぶか?」といった問題が出題されます。正解は「オムニチャネル」です。単なるIT用語として覚えるのではなく、「顧客が使いやすくなるためのマーケティング戦略なんだな」と理解することが大切です。

8. マーケティング視点を持つことで得られるキャリアのメリット

8. マーケティング視点を持つことで得られるキャリアのメリット
8. マーケティング視点を持つことで得られるキャリアのメリット

マーケティングと販売の違いを理解することは、試験に合格するためだけでなく、皆さんの今後のキャリアにも大きなプラスになります。ITエンジニアであっても事務職であっても、「マーケティングの考え方」は必須のスキルです。

ビジネスの全体像が見えるようになる

「言われた仕事をただこなす」のと、「この仕事が顧客のどんなニーズに応えているか」を考えて動くのとでは、成果に大きな差が出ます。マーケティング視点を持つと、自分の仕事が「売れる仕組み」のどの部分を支えているのかが明確になります。

ITシステム開発への応用

将来、ITシステムを作る側になったとき、マーケティングの知識は「本当に使いやすいシステム」を作る指針になります。

  • ニーズの把握:ユーザーが本当に困っていることは何かを聞き出す(要件定義)。
  • 顧客価値の提供:最新技術を使うこと(プロダクトアウト)ではなく、ユーザーの課題が解決すること(マーケットイン)を目指す。

説得力のある提案ができる

販売(セールス)の場面でも、マーケティング理論に基づいた説明は非常に強力です。「この製品はすごいです」と熱意だけで押すのではなく、「ターゲットである御社の顧客層(S・T・P)には、この機能が価値(4C)を生みます」と論理的に伝えられるようになります。

ITパスポートの学習を通じて、経営層や顧客と同じ「共通言語」を使えるようになることは、就職や転職、昇進において大きな武器になるでしょう。

9. 試験対策:マーケティングと販売の頻出用語チェックリスト

9. 試験対策:マーケティングと販売の頻出用語チェックリスト
9. 試験対策:マーケティングと販売の頻出用語チェックリスト

最後に、ITパスポート試験で「マーケティング」と「販売」の文脈でよく狙われる用語をリストアップしました。これらが試験に出たときは、必ず「買い手視点(マーケティング)」か「売り手視点(販売)」かを意識して回答してください。

これだけは覚える!用語比較リスト


【顧客視点のキーワード(マーケティング寄り)】
・マーケットイン:顧客が欲しいものを形にする
・CRM:顧客との長期的な関係を大切にする
・UX(ユーザー体験):製品を通じて得られる満足感

【企業・技術視点のキーワード(販売・製造寄り)】
・プロダクトアウト:良いものを作ってから売り方を考える
・SFA:営業マンの動きを管理して効率よく売る
・コアコンピタンス:他社に真似できない自社独自の核となる技術

頻出の「横文字」戦略用語

試験では英語の略称がよく出ます。日本語の意味とセットでイメージしておきましょう。

  • SWOT分析:自社の強み・弱み(内部)と、チャンス・脅威(外部)を分析する手法。
  • 3C分析:顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの視点で分析する手法。
  • ライフサイクル:製品が発売されてから、普及し、売れなくなるまでの過程(導入期・成長期・成熟期・衰退期)。
ポイント:試験では「手法の名前」と「その目的」をセットで覚えるのが最短ルート。

試験当日の心構え

ストラテジ系の問題文は長くなる傾向がありますが、パニックになる必要はありません。問題文の中に「誰に何を届けようとしているか」というヒントが必ず隠れています。今回学んだ「マーケティングは売れる仕組み作り」という基本を忘れなければ、正解にたどり着けるはずです。

ITパスポート試験は、ITの知識だけでなく「社会人としての常識と戦略的思考」を問う試験です。マーケティングと販売の違いをマスターした皆さんは、すでにその大きな一歩を踏み出しています。

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